くるちょろ心理学研究所

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家庭環境から受けた影響を改善し、カップルの問題を解決する方法

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ファミリースクリプトがストレスのもとになる

 

今回は、以前に紹介したファミリースクリプトについて、これを書き換えて人間関係の問題を解決する方法を解説してきます。

 

カップルが自分たちの関係を認識するとき、私たちは無意識のうちにお互いの複製的スクリプトと修正的スクリプトについて交渉し、それらのスクリプトの組み合わせを習慣に取り入れるようになります。

 

ただし、この交渉は意識的に行われるものではありません。自然とお互いが相手に合わせるかたちで生まれます。

 

なので、相手も気持ちを汲み取りながら行われるため、カップルはお互いの持つファミリースクリプトのあいだで葛藤を経験することがあります。

 

相手の細かな習慣が気になったり「本当はこうしてほしいのになぁ」という感じで悩んでしまうのです。

 

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誰しもファミリースクリプトを受け継いでいる

 

実は、いくら自分が「私は親とは違う」とか「違うやり方で生きていく」と思っていても、幼少期に受け継いだファミリースクリプトは消えることはありません。

 

人間関係に対するあなたの行動のほとんどは、家族との生活から遺伝して受け継がれたものです。

 

なので、もしも、このスクリプトが原因で人間関係に問題が生じているのであれば、意識して自分の中のスクリプトを変えていく必要があります。

 

ファミリースクリプトから生じる行動を変えるためのもっともよい方法は、家族から受け継いだスクリプトを自分のものにして、それを状況に合わせて活用することです。

 

というわけで、ここからはファミリースクリプトを自分のものにして、新しい行動を自分のスクリプトとして取り入れていく方法を解説していきます。

 

ファミリースクリプトを書き換える方法

自分のファミリースクリプト・リストをつくる

 

まず最初に、自分のファミリースクリプトを理解する必要があります。

 

そこで、あなたが現在認識している複製型のスクリプトをすべて書き出します。書くものはメモ用紙でもメモアプリでも構いません。

 

自分では意識していなくても、子どもの頃に見たことやしたことを無意識に再現していることがあるので、無意識に何かしているか?と自問自答してみましょう。

 

次に、修正型のスクリプトのリストを書いていきます。

 

意識的にせよ、そうでないにせよ、子どもの頃に家族がしていたこととは反対のこと、または別のことをしているかどうか考えてみてください。

 

次に、即興型のスクリプトのうち、自分の家族とは関係のないものを書いていきましょう。

 

人間関係に関するスクリプトをリストアップする

 

こうしたつくられたリストは、掃除の仕方といった単純なスクリプトから、親しい人にどのように愛情を表現するか、といった複雑で心理的なスクリプトまで、さまざまです。

 

特に人間関係に悩んでいる場合には、愛情の表現方法と対立の解決法のリストが役に立つでしょう。

 

普段の自分はどのように相手に甘えたり親密さを示すか、そして喧嘩したり意見が異なったときどのように対処しているか、といったことです。

 

見つかったファミリースクリプトの中から人間関係に関するスクリプトをリストアップしていきましょう。

 

3つのリストがすべて出来上がったら、自分が良いと思うスクリプトや好きなスクリプトと、自分を制限していると思うスクリプトや対立のもととなっていると思うスクリプトに丸をつけてください。

 

 

リストをパートナーと共有し変更する

 

このリストをパートナーと共有していきます。

 

あなたやあなたの人間関係を制限していたり問題を起こしていると感じている、あるいは常に緊張の原因となっていると感じている、変えようと思っている複製型または修正型のスクリプトを1つ選びます。

 

即興で別の行動をとる方法について、パートナーと話し合います。既存のスクリプトと違うことをしようとすると不安を感じることがあります。これを克服するのに役立つことも考えましょう。

 

ファミリースクリプトは単なる脚本にすぎないことを忘れないでください。そこに書かれていることを必ずしもあなたが実行する必要はありません。それは、あなたが自分で選べる選択肢の一つでしかないのです。

 

自分の思い込みを見直すためにも役立つ

 

ファミリースクリプトを見直すことは、まわりの人間関係で何がうまくいっていて、何がうまくいっていないかを確認するために役立ちます。

 

もしかすると、誰かとの対立はあなたが無意識にファミリースクリプトに従っているから起きてしまっていることかもしれません。

 

もしも、あるスクリプトが良好な人間関係を構築することに役立っていないのであれば、別のスクリプトを選び、行動を変えていきましょう。

 

ファミリースクリプトは誰しもが持っており、決してなくすことはできないものです。

 

しかし、そのスクリプトの中から、あなたはより適応的で柔軟な行動や価値観を選び取ることができます。

 

人間関係に悩むことがあったら、一度あなたとパートナーのファミリースクリプトを見直してみてください。

 

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参考論文、資料

 

Byng‐Hall, John. (2003). The Family Script: A Useful Bridge between Theory and Practice. Journal of Family Therapy. 7. 301 - 305. 10.1046/j..1985.00688.x. 

https://doi.org/10.1046/j..1985.00688.x

John Byng-hall (1986) Family scripts: A concept which can bridge child psychotherapy and family therapy thinking, Journal of Child Psychotherapy, 12:1, 3-13, DOI: 10.1080/00754178608254780

https://doi.org/10.1080/00754178608254780

Rewriting Family Scripts: Improvisation and Systems Change (The Guilford Family Therapy) ハードカバー – 1995/9/22 英語版  John Byng-Hall  (著)

https://amzn.to/3aoGHuS