ギバーが成功する心理
他者に与えられるギバーの精神を持った人が成功するというのが最近の心理学的な答えです。
しかし、与え方を間違えてしまうと逆効果で不幸せになってしまうこともわかっています。
そこで今回は「科学的に正しいギブのやり方」について解説していきます。
抽象的なギブをすると不幸になる
2014年にヒューストン大学のメラニー・ ラッド、スタンフォード大学ジェニファー・ アーカー、ハーバードビジネススクールのマイケル・ノートン博士らが出した研究論文から、他者に何かを与えるときの目標設定を間違えると逆効果になることがわかっています。
こちらの論文では、人に与えるときは目標を具体的に設定しないと不幸な結果になってしまうと結論付けられています。つまり、抽象的で色々な解釈に捉えられるような目標は科学的には良くない目標なのです。
例えば、「地球のみんなを幸せにする」や「世界を平和にする」というような抽象的で大きすぎる目標を目指してしまうと、人に与えることで得られる幸せが下がってしまうのです。
具体的な目標設定で幸福度が大幅にアップする
研究によると、実験に参加した被験者たちは、抽象的な目標のほうが、具体的な目標よりもより幸せになれると信じていました。しかし実際に比べてみると、抽象的な目標は逆効果となっていたのです。
抽象的に組み立てられた社会的目標を追求した人々と比較して、具体的に組み立てられた目標を追求した人々は、目標の結果が予測したものと一致し、幸福度が大幅に向上することが分かったのです。
どうやら私たちには、理由はわからないのですが抽象的な目標を良い目標だと思う傾向があるようです。大きな目標の方が達成した時の喜びの気持ちも大きくなるからかもしれません。
抽象的な目標は燃え尽きの原因に
しかし、実際は抽象的な目標だと現実から離れしまって、ゴールや終わりが見つからず、最終的には自分でもよくわからない状態のままでやる気が燃え尽きてしまうのです。悲惨ですね。
なので、人に与えることを目標とするときには、具体的な目標を立てることが大切です。
例えば、「友人を3人元気づける」とか「いらなくなった家具や服を寄付する」 というふうに、行動したかどうかがはっきりと結果に見える具体的な目標を決めることが大切です。
与えることで自己犠牲をしてはいけない
ここでもし「会う人すべてを幸せにする」ですとか「困っている人のためにお金を寄付する」というような抽象度の高い目標にしてしまうと、あれこれもと考えてもっともっと頑張らないといけないと思って焦ってしまいます。
こうなると与えることで自己犠牲をしてしまうのでマイナスになってしまうのです。過剰なギバーという感じですね。
他者にギブするうえで重要なのは、与えるために自分を犠牲にしないということです。自身の健康状態を維持したままでないとギブをしても失敗に終わってしまうのです。参考にしてください。