朝が苦手なのは遺伝子のせいだった
カリフォルニア大学の神経遺伝学者ルイス・プチェク博士が、早起きな家族の遺伝子を調べるという研究を行ったところ、早起きをする人特有の染色体を発見しました。
同様に夜更かしをしがちな家族の遺伝子を調べたときにも、夜更かしをする人特有の染色体が見つかりました。
つまり、朝に活動をすることが正しくて、朝活ができない人は怠惰な性格なだけだ!というような事実はないわけです。早起きが苦手な人に朗報ですね。
朝ヒバリタイプと夜フクロウタイプ
以前の研究でも、人間には早起きをするタイプと夜更かしをするタイプの2種類がいるということが指摘されています。生まれつき持っている体内時計が人によって異なるのです。
この私たちが生まれつき持っている体内時計のことをクロノタイプと言います。科学の世界では、早起きをする人たちを「朝ヒバリタイプ」、夜更かしをする人たちを「夜フクロウタイプ」とそれぞれに呼んでいます。
今回のプチェク博士の研究では、その特徴を持つ遺伝子が特定でき、遺伝学的にも2タイプの異なった時間を過ごす人々がいることが証明されたのです。ちなみに、ここでは大まかに2つのタイプに分けていますが、もっと細かな区別もあります。
夜型の人が朝の生活をするのは難しい
そして遺伝子レベルで自分に適した時間帯がすでに固定されているので、もともと夜フクロウタイプに当たる人が「早寝早起きできる習慣を身に着けよう!」と頑張ってみても上手くいかないことが多いのです。
これでは古来より受け継がれている遺伝子の設計に逆らうことになるので、本人にとって難易度がかなり高い問題になってしまうのですね。
朝活は成功法則ではない
「どんな人も朝に活発に動くのが一番だ」と主張する人たちは、単純に朝型の生活が自分たちの遺伝子に合っているために調子が良いということなのです。
なので、夜フクロウタイプの人たちが早起きの習慣を頑張って身に着けてみても、パフォーマンスが十分に発揮できず、成功とは程遠い結果になる可能性が高いわけです。
体内時計に関して重要なのは、1自分の得意な時間帯の把握と調整、2睡眠不足かどうかのチェックの2つだけです。そして、この2つのチェック項目で問題が出ている場合は体内時計が狂っているというふうに判断します。体内時計が狂っている場合は、時計をリセットして健康状態を取り戻す必要があります。
— 心理学を解説する ちょっぺ〜先生 (@kruchoro) 2019年12月1日
夜型の人は夜に積極的に活動しよう
以前に紹介した研究でも、夜更かしをする人たちにも成功者は大勢いますし、夜型の人の方がお金持ちになる確率が高いという報告もあります。
というわけで、夜型の人は無理に早起きなどはせず、自分が本来持っている夜型遺伝子のメリットを活かしていく方が良いのです。早起きが成功のコツ!は神話だったのです。
早起き・夜更かしが合うかどうかは遺伝子レベルで決まっている朝型の人が深夜に活動したり、夜型の人が早朝に活動するのは難しい大事なのは早起きではなく、自分のクロノタイプに合った生活を営むこと