【内向性】よく誤解されがちな内向性と人見知りの違いについて解説

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内向型と人見知り

 

今回は「内向性」についての解説の続きです。

 

これまでの繰り返しになりますが、内向的な性格と人見知りとは必ずしも一致する性格特性ではありません。

 

内向的で人見知りな人もいれば、内向的ではあるが人見知りではない人、内向的ではないが人見知りではある人もいるということです。

 

具体的には、内向性とは社交性のレベルが低いことを示しています(それだけではありませんが、ここではわかりやすくするために割愛します)。

 

そして社交性とは、他者と一緒にいたい!という動機の強弱のレベルを指します。

 

つまり、どれだけ人と一緒に過ごしたいかという気持ちが社交性であり、この気持ちが薄い人が内向的な人なのですね。

 

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人見知り、内気な状態とは?

 

これに対して、人見知りの人が抱える内気とは、他者といるときの振舞い方が、本当にやりたいことに反して抑制されているかどうかであったり、また、緊張や不快な感情のレベルを指しています。

 

つまり、本当は断りたいけれど断れなかったり、本当は話しかけたいけれど緊張して話かけられないというのが人見知りの特徴であり、内気さが引き起こす問題です。

 

なので、(人見知りではないので)人と話すことに特に不快感を感じていないけれど、(内向的なので)積極的に人と話したいとは思わない人もいるわけです。

 

人が怖いのではなく、一人が好き

 

内気さや人見知りは、人や社会的な状況に対する恐怖心を示しています。

 

一方で、内向的な人は、他の人と多くの時間を過ごすことが単に好きではないというだけなのです。

 

はたから見ると、他者を避けているという点では同じなので、内向的な性格と内気さは誤解されやすいのですね。

 

内向的な人が好む会話

 

内向的な人は他者を避けているように見えますが、人に興味がないわけではありません。そのため、実際には親しい関係にある人と一緒に過ごすことを喜びます。

 

内向型の人にとって内容の薄い話や世間話をするのはひどく退屈に感じてしまいますが、深く意味のある会話をすることは楽しいと感じます。

 

一方で、広く浅い人付き合いやよくある世間話は苦手です。むしろ哲学などの一般的には小難しいと感じるような話のほうが好きなのですね。

 

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内向的な人が好む考え方

 

また、内向的な人は実際に話す前に物事をじっくりと考える傾向があります。

 

自分の意見を述べたり、何かの説明をしようとする前に、自分の頭の中でその概念を完全に理解することを望み、結果をよく考えてから発言する傾向があります。

 

なので、じっくりと考える時間を与えてくれる状況や相手を好みます。

 

内向型人間が世間から誤解されている理由 

 

内向的な人は、しばしば内気でとらえどころがなく傲慢だというレッテルを貼られてしまいます。

 

ブルッキングス研究所(アメリカ)でシニアフェローをしているジョナサン・ラウフ氏によると、このような誤った認識は、外向的な人が内向的な人の特性を十分に理解していないことに起因していると言います。

 

外向的な人は内向的な人についてほとんど、あるいはまったく理解していません。

 

彼らは仲間、特に自分自身の仲間はいつでも歓迎されるものだと思い込んでいます。

 

そのため、彼らはなぜ内向的な人たちが一人でいる必要があるのかを想像できず、それを不快に思ったり腹を立てることも多くなります。

 

以前に解説したバイアスにかかっているのですね。

 

刺激を調節することで幸福度を上げられる

 

内向的な人は、外界からの刺激が強すぎる場面にうまく対処するために、自分なりの方法を見つけておきましょう。

 

まず基本的なこととして、内向的な人は静かな場所を見つけ出すことで、雑音などの外的刺激からくるストレスから解放され、エネルギーを充電することができます。

 

なので、気持ちが疲れてきたら静かな場所で羽を休めるのが一番良い方法です。たとえば、トイレなどで数分間目を閉じて休むだけでもエネルギーが回復します。

 

18歳から80歳までの内向的な人を対象にしたある研究では、社会的な関係や感情のコントロール能力が高い人は、そうでない人よりも幸福度が高いことが明らかにされています。

 

つまり、刺激に敏感であっても、状況をうまくコントロールしたり問題に対処する方法を身に着けていれば、内向的な性格であっても十分に社交的な場を楽しむことができるのです。

 

 

内向的な人へのアドバイスまとめ

 

内向的な性格の強みは刺激に敏感であることであり、この強みは感情を理解しコントロールすることで発揮されます。

 

自分の強みを最大限に生かすために、内向的な傾向を利用することで、自分と他者の感情を理解する力を身につけていきましょう。

 

また、内向的な人は不特定多数の人々ではなく、親しい人との関係をより大切にすることで強い社会的つながりを育み、幸せになることができます。

 

なので、人付き合いや交友関係の管理の仕方についても、無理をしてまで外向的な人のまねをすることはないのだと覚えておきましょう。

 

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参考論文

 

Dossey L. Introverts: A Defense. Explore (NY). 2016 May-Jun;12(3):151-60. doi: 10.1016/j.explore.2016.02.007. Epub 2016 Mar 2. PMID: 27061037.

https://doi.org/10.1016/j.explore.2016.02.007

Caring for Your Introvert – The Atlantic

https://www.theatlantic.com/magazine/archive/2003/03/caring-for-your-introvert/302696/

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