くるちょろ心理学研究所

心理学・医学・経済学の研究論文の解説と考察をしています

【衝撃】ポジティブなことを考えるほど、やる気はなくなっていく

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ポジティブ思考は逆効果

 

今回は衝撃的な話をします。

 

引き寄せの法則、思考は現実化する、アファメーションといった分野では「夢を描こう!」「成功した姿を想像しよう!」というようなアドバイスがあります。自己啓発本や自己啓発セミナーなどで多い文句ですね。

 

しかし、これは心理学的には間違ったアドバイスであることがわかっています。

 

実は、「理想的な未来を想像するほど、人はやる気がどんどん下がっていく!」心理があるのです。かなり衝撃な話です。

 

ポジティブな空想によるネガティブな効果  

 

ポジティブな妄想は仕事、勉強、ダイエットなどすべての目標達成に影響する心理です。

 

紹介するのは2011年に行われたニューヨーク大学心理学部のヘザー・バリー・カペス博士とガブリエル・エッティンゲン博士の研究で、ポジティブな空想をすることは実際には私たちにどのような心理的影響を与えるのか?を調べたものです。

 

実験は全部で4つ行われたのですが、どの実験でも「ポジティブな空想をした人たちはみな一様にやる気を失ってしまった!」という結果が出てしまったのです。

 

さらには、中には「実際の能力まで下がってしまった!」という影響も確認されていまして、ポジティブ思考の立場があやぶまれています笑。

 

今回はまず2つの実験について解説します。

 

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理想の外見をイメージすると逆効果!

 

最初の実験では、女性を対象に理想的な外見をした自分を想像してもらいました。具体的には、「流行のハイヒールを履いて見た目と気分が良くなった自分」をイメージしてもらいました。

 

すると、魅力度が上がった理想的な自分の姿を想像した女性たちは想像した後で気分は良くなったのですが、やる気は下がってしまったのです。

 

一方で、人気のハイヒールを履くメリットとデメリットについて考えてもらった女性たちには、この現象は起きませんでした。

 

よくダイエットのアドバイスで「スタイルが良くなった自分を想像しよう!」ですとか、「グラビアアイドルに自分の顔を貼り付けて部屋に飾っておき定期的に眺めよう!」というようなものがありますが、こういった努力は逆にダイエットへのモチベーションを下げてしまうことになるのでやめておきましょう。

 

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成功した自分を想像するとやる気も能力も下がる

 

続いての実験は、自分が成功した姿を想像してもらう!というものです。

 

具体的には、実験参加者に「出来の良い文章を書いてコンテストに優勝し、賞金を手に入れた自分」を先に想像してもらったうえで、実際にエッセイを書いてもらいました。

 

すると、自分の成功した姿を想像した人たちは、ポジティブな想像をしなかった人たちと比べて、活力が下がってしまっただけではなく、書いてもらった文章の完成度も低くなってしまったのです。

 

ポジティブな空想にはやる気や行動力を失わせる悪影響だけではなく、実際の自分の能力を下げてしまう悪影響もあったのです。

 

ちなみにポジティブな空想をしなかった人たちには、逆にネガティブな空想をしてもらっていました。

 

過去の紹介した心理学のように、ネガティブな空想をした方がかえってやる気が出て良いのかもしれないですね。

 

といったところで、今回は終わります。続きの実験の説明と解説はまた次回にしますのでお楽しみに。

 

そしてポジティブな空想にはくれぐれもお気をつけください。

 

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・次回の解説は↓

 

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参考論文

 

Heather Barry Kappes, Gabriele Oettingen, Positive fantasies about idealized futures sap energy, Journal of Experimental Social Psychology, Volume 47, Issue 4, July 2011, Pages 719-729

https://doi.org/10.1016/j.jesp.2011.02.003