くるちょろ心理学研究所

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【認知行動療法】セラピストと一緒に行う認知行動療法について心理解説

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認知行動療法とは?

 

これまでにも解説してきましたが、認知行動療法(Cognitive behavioral therapy, CBT)は、うつ病、不安障害、アルコール・薬物使用の問題、夫婦間の問題、摂食障害、重度の精神疾患など、さまざまな問題に効果があることが実証されている心理療法の一種です。

 

数多くの研究で、CBTが機能や生活の質の著しい改善につながることが示唆されています。

 

また、CBTは他の心理療法や精神科の薬物療法と同等か、それ以上の効果があることが実証されています。

 

薬物より治療効果がある!ということで注目されているわけですね。

 

心理的な問題が起きる理由は考え方にある

 

認知行動療法の基本原則によると、心理的な問題の一部は、誤った、あるいは役に立たない考え方に基づいています。

 

また、心理的な問題の一部は、同じく役に立たない行動の学習パターンにも基づいています。

 

つまり、心理的な問題に苦しんでいる人は、誤った「思考」と「行動」に対処するためのより良い方法を学ぶことで、症状を和らげ、より効果的な生活を送ることができるようになるのです。

 

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認知行動療法で思考パターンを変えていく

 

認知行動療法は治療の過程で、通常、ネガティブな思考パターンを変える努力をします。

 

具体的な戦略には次のようなものがあります。

 

  • 問題を引き起こしている自分の考え方の歪みを認識し、それを現実に照らし合わせて再評価することを学ぶ(認知再構成)。
  • 困難な状況に対処するために問題解決のスキルを使う。
  • 自分の能力に自信を持つための心を開発していく。

 

認知行動療法で行動パターンを変えていく

 

また、CBT治療では、通常、行動パターンを変える努力をします。

 

行動パターンを変えるための戦略には以下のようなものがあります。

 

  • 恐怖を避けるのではなく向き合う(ストレス解決)。
  • 問題になりそうな人との交流に備えて、ロールプレイを行う(アサーションスキルなど)。
  • 問題が起きても自分の心を平静に保つことができるようにする(呼吸法、リラックス法、ストレス対処法)。

 

ただし、すべての認知行動療法がこれらの戦略のすべてを使うわけではありません。

 

むしろ、認知行動療法では心理学の専門家(セラピスト)と患者(クライエント)が協力して、問題を理解し、治療戦略を立てていくセラピー形式で進めていくことが多いです。

 

セラピストと行う認知行動療法について

 

認知行動療法では、個人が自分自身のセラピストになるためのスキルを学ぶことに重点を置いています。

 

セラピー治療中の練習やセラピー治療外に出された宿題を通して、患者/クライエントが自分自身で対処法を身につけ、それによって自分の考え方や問題のある感情、行動を変えることができるようになることを目指していきます。

 

認知行動療法のセラピストは、心理的な問題に至るまでの経緯よりも、その人の現在の生活で何が起こっているのかを重視します。

 

もちろん、ある程度の過去の情報は必要ですが、より効果的な対処法を身につけるために主に現在に焦点を当てて治療を進めていきます。

 

精神疾患を抱えていなくても役立つ

 

認知行動療法は、メンタルヘルス・カウンセラー(心理療法士、セラピスト)と一緒に行うトークセラピー(心理療法)の中でも代表的な治療法です。

 

認知行動療法では、セラピーを受ける患者さんが不正確な考え方や否定的な考え方に気づくことを助け、困難な状況から目を背けることなく明確に捉え、より効果的な方法で対応できるようにしていきます。

 

認知行動療法は、うつ病、心的外傷後ストレス障害(PTSD)、摂食障害などの精神疾患の治療に、単独に行ったりまたは他の治療法と組み合わせることで、非常に有効な手段となります。

 

しかし、認知行動療法は、精神疾患を抱えている人だけを対象にしているわけではありません。

 

認知行動療法は、誰もがストレスの多い生活環境を上手にコントロールできるようになるための効果的なツールなのです。

 

次回は「認知行動療法で解決できる心理的問題とリスク」について解説していきます。

 

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参考論文

 

Thomas A. Field, Eric T. Beeson, Laura K. Jones; The New ABCs: A Practitioner's Guide to Neuroscience-Informed Cognitive-Behavior Therapy. Journal of Mental Health Counseling 1 July 2015; 37 (3): 206–220. doi: 

https://doi.org/10.17744/1040-2861-37.3.206

Gartlehner G, Wagner G, Matyas N, Titscher V, Greimel J, Lux L, Gaynes BN, Viswanathan M, Patel S, Lohr KN. Pharmacological and non-pharmacological treatments for major depressive disorder: review of systematic reviews. BMJ Open. 2017 Jun 14;7(6):e014912. doi: 10.1136/bmjopen-2016-014912. PMID: 28615268; PMCID: PMC5623437.

https://doi.org/10.1136/bmjopen-2016-014912