くるちょろ心理学研究所

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【行動経済学】人間がよく使ってしまう6つの認知バイアスを解説

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認知バイアスとは?

 

認知バイアス(cognitive bias)とは、個人の直感やこれまでの経験にもとづく先入観によって、非合理的な判断や誤った意思決定をしてしまう心理現象のことです。

 

簡単に言うと、思い込みで判断をしてしまうことを指します。

 

物事を客観的に分析できずに個人の感情に基づいて考えて行動してしまうときに「バイアスがかかっている」というふうに使われます。

 

行動経済学における有名な認知バイアスの例には次のようなものがあります。

 

ニージャーク・バイアス

 

ニージャーク・バイアス(A knee-jerk bias)は、熟考する時間を取らずに、本能的に素早く決断することを意味します。

 

ニージャークは膝蓋腱反射のことです。考えることなく、自動的に起こす反応のことを英語では「ニージャーク・リアクション(knee-jerk reaction)」と言いますが、これと同じ現象です。

 

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オッカムのかみそりバイアス

 

オッカムのかみそりバイアス(Occam’s razor bias)は、最も明白で一貫性のある仮説や解決策が最善であると感じる心理を指します。

 

よりシンプルなもののほうが頭を使われなくて済むのでより好まれるのです。

 

サイロ効果

 

サイロ効果(Silo effect)とは、意思決定をする際に視野狭窄に陥り、あまりにも狭い範囲でのアプローチをとってしまうことです。サイロは組織の中の小さな単位を指します。

 

また、ビジネスの現場では、集団や組織内部の各部署がお互いに協力し合うことなく、自分たちが保持する権限や利害にこだわり、外部からの干渉を排除してしまうことを指します。縦割り行政がわかりやすい例ですね。

 

確証バイアス

 

確証バイアス(Confirmation bias)は、ある信念や仮定を肯定する情報に焦点を当て、それ以外の否定的な情報を無視したり軽視してしまう心理バイアスです。

 

たとえば、朝食を食べることが正しいと思っていたら、朝食を食べることで得られるメリットに関する情報のみに注目し、デメリットに関する情報を排除してしまうといった感じです。

 

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慣性バイアス

 

慣性バイアス(Inertia Bias)は、自分が慣れ親しんだ方法で考えたり行動したりする心理を指します。

 

新しい方法よりも昔からの方法のほうが頭を使わずにスムーズにできることは言うまでもありません。このため、人はよりよい効率的な新しい手段を検討することもなくなります。

 

 

近視眼バイアス

 

近視眼バイアス(Myopia Bias)は、自分の経歴や経験、感情という狭いレンズを通して世界を解釈することです。

 

たとえば、背の高い人にいじわるをされた経験から、背の高い人はみんないじわるをすると考えるようになるといったことです。いわゆる偏見や差別、ステレオタイプといったことですね。

 

これらの心理現象は、私たちが判断や行動をするときによく使われるバイアスなので覚えておくといいでしょう。

 

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参考論文、参考資料

 

Vatanpour H, Khorramnia A, Forutan N. Silo effect a prominence factor to decrease efficiency of pharmaceutical industry. Iran J Pharm Res. 2013 Winter;12(Suppl):207-16. PMID: 24250690; PMCID: PMC3813367.

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/24250690/

Dean, M., Kibris, O., & Masatlioglu, Y. (2017). Limited attention and status quo bias. Journal of Economic Theory, 169, 93-127.

https://doi.org/10.1016/j.jet.2017.01.009

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