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悪者は見逃される?他人の悪事を注意する人はいない!不正に関する組織心理学

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組織の不正は防止できるのか?

今回は組織内で起きてしまう不正行為に関する心理研究を紹介します。経営者や組織内で集団をマネージメントしている人たちは会社内の不正行為防止の参考にしてみてください。

アメリカ、ジョージタウン大学マネジメント学科のマルシア ミッチェリ博士の組織内の不正行為に関する研究によると、大きな不正行為ほど会社内で見逃されやすいということがわかっています。

小さいことだから見逃すのではなく、不正の内容が大きなことだからこそ同僚に見つかっていても見逃されてしまうのです。常識的に考えたら逆のような気がしますが、そうではなかったのです。これにはどういう心理が働いているのでしょうか?

大抵の人は不正を見逃す心理を持っている

まず博士は、15の役所に勤める13,000人の公務員に「同僚の不正行為を見つけたとき、あなたはそれを止めるように相手に注意をしますか?」という質問をしました。

回答は匿名性のものでしたが、なんと69%の人たちが同僚の不正行為を見逃すと答えたのです。数字だけ見ると驚きの結果ですね。

しかもこれはアンケートの結果ですから、回答者の中には自分が良い人に見えるように答えている人も多いはずですし、自分が本当に行動できるかどうか理解していない人も中にはいます。

なので下手をすると、実際にはこの数字を下回る可能性が大きいわけです。ちょっと切ない研究結果ですよね。。

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会社内の不正を防止するための3つのポイント

そこで博士は、「どういう時なら、あなたは同僚の不正行為をやめるように相手に注意をしますか?」という質問をして不正行為を止めるヒントがないかを探しました。

すると、不正行為を防止するための条件を見つけ出すことができたのです。朗報ですね。社員に不正をされない職場環境を整えるためには、このポイントを踏まえればいいわけです。

博士が提示する組織内における不正防止のポイントは以下の3つです。

1.不正行為を止めさせることが自分の職務である
2.不正行為を注意した相手から復讐される恐れがない
3.不正行為の悪さの度合いが小さい

これらの条件が存在した場合に従業員は同僚の不正行為を止める傾向があったのです。ただ、こうして条件を並べてみると、少し頼りないと感じる結果になりましたね。特に社員の不正行為を見張る仕事なんて普通の組織には置いていないですし、そういった部署を設置するにしてもそれなりに費用がかかってしまいます。

とにかくポイントを順番に解説していきます。

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不正行為を止めさせることが自分の職務である

不正行為を止める正当な理由として、それが仕事であれば多くの人は同僚の不正行為を止めたり上司に報告をするようです。

私たちには、仕事や上から命令であれば、心理的に抵抗のある作業でも淡々とこなせる性質を持っていますのでこの心理のおかげで不正を防止・解決するようになるのです。

また、同僚の不正を調べてそれを解決することが仕事の一環であるのなら、正当な理由があるので行動しやすいということもあります。理由があるというだけで私たちの脳みそは簡単に説得されるので、不正を報告することが自分の責務だとさえ従業員に感じてもらえれば不正を報告するようになるのです。

ただ、どうやら悪いことを見逃してはいけないというような倫理的な理由では組織内の不正行為を止めることはできないようです。どれだけ綺麗なことを口で言ってもダメという感じです。それはおそらく次の項で説明する心理的な理由が大きな原因となっているのでしょう。

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不正行為を注意した相手から復讐される恐れがない

不正行為を本人に直接注意したり、本人には黙って上司に密告するといったことを私たちはリスキーに感じるようです。

これは同僚からの報復を恐れてしまうからです。こんなことをして恨まれてしまったらどうしようと考えてしまうのですね。社内で不正を行うほどの人間ですから、それを注意した人に報復を行う可能性も他の人よりは高いわけです。それに密告は、密告する側もこそこそしている、上の人に取り繕っているというような後ろめたさも感じます。

また、「他の人が注意していないのに、どうして自分がそんなリスクを負ってまで行動をしなくちゃいけないんだ?」とも考えてしまいます。まぁ確かに気持ちはわかりますよね。誰だって余計な仕事やリスクは増やしたくないですから。

つまり、たとえ悪いことをしている相手であっても、その相手を含めて今の人間関係を壊したくないと考えるのが人の心なのです。この心理は私たちが思っている以上に私たちの行動に影響しているのです。だから不正を注意することも報告することもできないのですね。

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不正行為の悪さの度合いが小さい

驚きの結果ですが、なんと不正行為が大きければ大きいほど私たちはその不正行為を見逃してしまう傾向があるのです。これは多くの人の直感と反する結果ですよね。

普通に考えたら、大きな不正行為ほど同じ集団に所属する自分に与えるマイナスの影響も大きくなりますから、不正行為をやめさせたり通報して当事者を組織から追い出そうとしますが、事実はそうではないのです。

これはおそらく、悪い不正を働く人ほど悪人である可能性があるので報復への恐怖が大きくなってしまうのでしょう。それに組織内のどこまで不正が行き届いているかもわかりにくいので、報告をしたり陰口を言った相手も同様に不正に関与していたらと考えると話すことに躊躇してしまいます

また、不正行為が大きいものであるほど告発された人は、失職や逮捕などの大きな処罰を受けますので、事が大きくなってしまって、その責任の大きさに不正の報告者が耐えられなくなるという心理も働いてしまいそうです。不正を働いている人も一緒に働いている時は他の人と同じように普通に接してくれるので、彼らに同情してしまうのですね。

それでも不正行為は悪いと思っているので、同僚の不正行為を見逃しながらも心の中では「誰か注意してくれよ」と祈っている感じです。いじめを放置してしまう心理にも近いかと思います。

誰だってこちらが何もせずに問題が自然と解決すればその方が良いと考えますから、この手の問題は集団の中からの解決が難しいのでしょう。不安がもたらす先延ばしにも近い心理ですね。

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不正の防止は難しい

今回の調査対象は公務員でしたが、それでも組織内の不正を防止する事は意外と難しいのです。一般企業や実店舗の場合には不正防止はもっと困難そうですよね。

それに歴史的に見てみれば、大企業も多くの不正を働いているわけです。これは世界的に見ても共通する事柄です。

日本でもアメリカでも大企業はよく組織的な不正をして処罰を受けています。組織内の不正を一介の社員が注意をしてやめさせるのは、それくらい難しいことなのです。

さらに博士の結論によると、大きな不正行為ほど見逃される可能性が高いので、組織内での不正を見抜いて同僚が不正行為をしないように監視をする専門の部署が不正防止のためには必要、とのことですから不正防止のハードルはかなり高めです。

専門の部署を作ったり、その仕事を外部に委託するのもけっこう大変ですから、現実的な手法を考えるのなら、組織内での不正行為を告発しやすくなるようなインセンティブを従業員に持たせた方がいいかもしれません。不正を報告したら報奨金を与えるとかですかね。

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社員に共感させることが大切

あるいは不正を行うことで迷惑を被る人やそれによって起こる被害を伝えて啓発する手もあります。倫理的な感情に訴えるのはあまり効果がないかもしれませんが、相手の感情に訴えることで行動を促すことは効果があります。

私たちは人に共感することで悪いことをしなくなるという心理を持っているので、不正行為によって被害者が出るということを想像させて、架空の被害者に共感させればいいのです。これは犯罪者の再犯防止のためにも使われている心理テクニックです。

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不正のリスクを認知させる

また不正は必ず見つかるものだということ、警察に捕まったら人生が終わるということを伝えて組織内で不正を働くことは大きなリスクを伴うことを認知させることにも効果があります

もちろん、そもそも不正をしにくい環境を整えることが必須ですが(一人で作業や管理をさせないなど)、それに加えて不正をすることによるリスクや被害の認知を徹底することで不正が起こる割合は減らせます

というわけで、紹介したようなアイディアを持ち寄って不正を報告しやすい環境を作るように工夫する、ひたすら啓発するということが組織内の不正行為防止のための現実的な解決法になりそうです。

そして大きな組織となれば、不正を監視する機関を設けることは必須ですので、まだそういう機関がないという場合は検討してみてください。

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そもそも組織内の不正を防止することは難しい
不正を防止するための心理的ポイントは3つ
1.不正行為を止めさせることが自分の職務である
2.不正行為を注意した相手から復讐される恐れがない
3.不正行為の悪さの度合いが小さい
また、従業員に仲間に共感させたり不正のリスクを認知させることも役立つ