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説得にとって大切なのは意味よりもリズムだった

文章を書く上でリズムを重視しているという作家さんは数多くいまして、日本でも世界的に有名な村上春樹さんがそうです。彼は小説を書く上でも翻訳をする上でも音楽的なリズムを大切にして文章を書いているそうなんですね。

海外でも小説家のポール オースター氏が同じようなことを言っています。というか、同じようなことを言っている作家さんは探してみれば意外と多くいるんですね。不思議なものです。

 ことわざや慣用句は人を納得させる

この「文書はリズムだ。リズムに乗るぜ」を裏付ける研究結果がイギリスで出ました。コピーライティングをしている人なら聞いたことがある話かもしれません。

イギリスのレスター大学に勤めるカール テイゲン博士の研究で、実験者に二種類の文章を見せてそれが正しいかどうかを判断させました。この二種類の文章なんですが、実はまったく正反対の意味のことを書いてあったのですが、それを読んだ人はどちらも正しい内容だという評価を下したのです。どういうことなのでしょうか?

実はこの二種類の文章は意味はまったく逆でも、どちらもことわざや慣用句から引用した文章だったんですね。例えば「善は急げ」と「急いては事を仕損じる」のような対照的な意味を持った慣用句ですね。実験に参加した人はこれらの文章を見て「どっちも正しいなぁ」と思ったそうなのです。

説明だけ聞くと「そんなバカな」と思うかもしれませんが、冷静に考えてみるとたしかに現実としてどっちもありえる話ですよね。急いでいて失敗することもあれば、スピードを上げたことでうまくいくこともあるわけです。

ですから、ある言葉や文章の信用度というのは、その内容などではなく、リズムが心地よいか、聞き慣れた文言かどうかが決定づける大きな要因になるということなのです。

聞き慣れたもの・見慣れたものは信用されやすい

これはつまり、慣用句やことわざを多く知っていると人を説得する上でかなり有利になるということです。また音楽の話に限らず俳句や短歌を例に取ってもそうですが、言葉や音のリズムというのもパターンが決まっているので心理的には聞き慣れているという部類に入るのですね。

このように聞き慣れたことや見慣れたものは私たちの心にとってかなり影響力が大きいんですね。単純接触の原理というやつです。でもそれは私たちが自覚しないところで自然と大きくなっているのです。

慣用句やことわざを用いた説明は信用されやすい