
子供や部下や生徒を叱るのは意味があるのか、あるいは意味がないのかという議論はけっこう前からありますが、叱ってもあまり効果がないよという結論も実はけっこう前からあります。今回はその研究をもとに叱ることについて話します。
7割の人は叱られても反省しない
130名の大学生を対象に体育教師に叱られたときの反応を調べたところ、その後きちんと教師の言うことを聞くようになった生徒はたった24.7%しかいなかったということがギリシャのテッサリア大学の研究でわかりました。
これはつまり、人をきつく叱ったとしてもその中の2割くらいの人たちしか改心して行動を変えてくれないということです。何となく低い数値になるだろうなという予想はつきましたが、けっこう少ない割合ですよね。叱ったとしても7割の人は確実にその指導を無視するわけですから、これはあまり賢い方法とは言えないです。
でもよくよく自分たちが叱られる立場で考えてみれば、納得できるような結果ですよね。だって怒られたらそれが正論だとしても気持ち的には腹が立ちますよね。つまりそういう感情に負けずに客観的・論理的に自分が何を注意されているのか分析し、理解に努めようとする人は少ないということです。そもそも腹が立っている状態で物事を分析するのはほとんど不可能ですよね。
問題行動をとる理由について考えてみる
もうひとつ言うと、多くの場合、自分がどうして怒られたのかわからないからこそ、相手はそういう行動していたわけです。ですから怒ったり叱るよりも相手にわかるように冷静に理由を説明する必要があるわけです。
また、相手がダメだとわかっていながらも問題行動をやっていたとしたらこれも改心されるのは難しいですよね。だって本人がダメだということをわかっていてあえてやっているんですから。
しかも叱ったことでその場で態度を改めたとしても、その後の監視下にない状態できちんと模範的な行動を取ってくれるかというとこれも難しいです。
人を叱ることは危険も損失も伴う
結局のところ、恐怖で人を縛るなら徹底的にやるしかないのですが、そんなことはよほど閉鎖的なコミュニティでないかぎり普通はできません。恐がられたり嫌われたら今後のコミュニケーションも計りづらいですしね。さらに相手からの報復の可能性も含めると叱るということはリスキーでありながら、またエネルギーコストもそれなりにかかるのに得るものが少ない行為なのです。
というわけでルールを守らない相手を改心させるには建設的に話し合うしか方法はないわけです。もしくはルールを守らないのならコミュニティから追い出すか、ですね。
長い付き合いを目指すならやはり話し合いは不可欠というわけですね。